40代になって進化した自分がここにある…笑顔で戦うクルム伊達公子さん。
40代の素敵な生き方 - 2013年07月09日 (火)
1996年7月4日、ウインブルドン。当時、世界最強だったドイツの女王、
シュテフィ・グラフ選手との全英オープン準決勝。第1セットを落としたものの、
第2セットは完全に伊達さん(当時:旧姓)のペースで進み、ワンセットオール。
このままゲームが続けば、決勝でセンターコートに登場するのは小柄な
日本人選手だったことでしょう。しかし、無情にも日没、順延。そして翌日…。
仕事そっちのけでファイナルセットを観たことを、今でも思い出します。
決勝進出は逃しましたが、この試合が伊達さんにとって生涯最高のゲーム
だったのではないでしょうか。まさに、全盛期。しかしこの頃にはもう、
ツアーで世界を回る生活が耐えられなくなり、「パスポートの期限が
切れていればいいのに」と思うほどストレスがたまっていたそうです。
そしてこの歳の9月、引退を発表。25歳、世界ランキング第8位。
そこから12年。2008年、37歳になって、彼女は「クルム伊達公子」として
コートに帰ってきました。「若い選手に刺激を与えたい」といいながら、
きっと「今なら自分のために、自分にしかできないテニスができる」と
確信したのでしょう。若い頃、マスコミの取材にナーバスになり、
日本食以外の食事を拒み、ツアーに疲れ果てていた彼女は、
もうそこにはいませんでした。この年、東京有明国際女子オープンで優勝。
翌2009年WTAツアーの「ハンソル韓国オープン」にて13年ぶりに優勝。

(写真著作者/Christopher Johnson)
現在、42歳になるクルム伊達さんですが、復帰当初にもまして、
テニスを楽しんでいるようにみえます。コートの上ではとにかく笑顔。
今年の全仏オープンでは、「白ワインにめざめた」と話していました。
そしてあれから17年、ウインブルドン3回戦で、世界ランキング1位の
セリーナ・ウイリアムスさんと対戦。2-6、0-6の完敗でしたが、
試合後のコメントがいいです。自分のできることも、できないことも、
やりたいこともわかっている人の言葉。
「私が42歳で3回戦に来ていることをわかった上での声援。
みなさんテニスをよく知っているし、すごく温かさを感じた」
「ラリーに持ち込めば、想像していた以上に自分のテニスができた。
ストローク戦では自分のリズムと支配の中でできた時間もあった。
ハードコートでまた対戦してみたい」
以前にも、40代になって肩の力が抜けて、若いときよりも
楽しみながら取り組んでいる人は素敵だと思うと書きましたが、
クルム伊達さんにこそそれを感じます。ヨミやポジションなど、
昔よりも進化している自分を感じることもできるから、
その楽しみがあるのでしょう。
上の世代の女王だったナブラチロワさんが、クルム伊達さんが
セリーナ・ウイリアムズさんと対戦するにあたって、こんな言葉を
残しています。「グラフ戦のようにプレイできれば誰にでも勝てる。
でも、あれから17年も経っている」…早すぎた1回めの引退を惜しむ
ファンとしては、少しせつないですね。しかし、今のクルム伊達さんは、
以前とは違う共感と感動を持って応援できるアスリートです。
また来年も、芝のコートに帰ってくることを願いつつ。
以下に、クルム伊達さんの本を紹介します。2012年に出た本で、
40代で戦うこと、今の自分を愉しむことなどが、
彼女の言葉で語られています。ご興味があれば、どうぞ。
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シュテフィ・グラフ選手との全英オープン準決勝。第1セットを落としたものの、
第2セットは完全に伊達さん(当時:旧姓)のペースで進み、ワンセットオール。
このままゲームが続けば、決勝でセンターコートに登場するのは小柄な
日本人選手だったことでしょう。しかし、無情にも日没、順延。そして翌日…。
仕事そっちのけでファイナルセットを観たことを、今でも思い出します。
決勝進出は逃しましたが、この試合が伊達さんにとって生涯最高のゲーム
だったのではないでしょうか。まさに、全盛期。しかしこの頃にはもう、
ツアーで世界を回る生活が耐えられなくなり、「パスポートの期限が
切れていればいいのに」と思うほどストレスがたまっていたそうです。
そしてこの歳の9月、引退を発表。25歳、世界ランキング第8位。
そこから12年。2008年、37歳になって、彼女は「クルム伊達公子」として
コートに帰ってきました。「若い選手に刺激を与えたい」といいながら、
きっと「今なら自分のために、自分にしかできないテニスができる」と
確信したのでしょう。若い頃、マスコミの取材にナーバスになり、
日本食以外の食事を拒み、ツアーに疲れ果てていた彼女は、
もうそこにはいませんでした。この年、東京有明国際女子オープンで優勝。
翌2009年WTAツアーの「ハンソル韓国オープン」にて13年ぶりに優勝。

(写真著作者/Christopher Johnson)
現在、42歳になるクルム伊達さんですが、復帰当初にもまして、
テニスを楽しんでいるようにみえます。コートの上ではとにかく笑顔。
今年の全仏オープンでは、「白ワインにめざめた」と話していました。
そしてあれから17年、ウインブルドン3回戦で、世界ランキング1位の
セリーナ・ウイリアムスさんと対戦。2-6、0-6の完敗でしたが、
試合後のコメントがいいです。自分のできることも、できないことも、
やりたいこともわかっている人の言葉。
「私が42歳で3回戦に来ていることをわかった上での声援。
みなさんテニスをよく知っているし、すごく温かさを感じた」
「ラリーに持ち込めば、想像していた以上に自分のテニスができた。
ストローク戦では自分のリズムと支配の中でできた時間もあった。
ハードコートでまた対戦してみたい」
以前にも、40代になって肩の力が抜けて、若いときよりも
楽しみながら取り組んでいる人は素敵だと思うと書きましたが、
クルム伊達さんにこそそれを感じます。ヨミやポジションなど、
昔よりも進化している自分を感じることもできるから、
その楽しみがあるのでしょう。
上の世代の女王だったナブラチロワさんが、クルム伊達さんが
セリーナ・ウイリアムズさんと対戦するにあたって、こんな言葉を
残しています。「グラフ戦のようにプレイできれば誰にでも勝てる。
でも、あれから17年も経っている」…早すぎた1回めの引退を惜しむ
ファンとしては、少しせつないですね。しかし、今のクルム伊達さんは、
以前とは違う共感と感動を持って応援できるアスリートです。
また来年も、芝のコートに帰ってくることを願いつつ。
以下に、クルム伊達さんの本を紹介します。2012年に出た本で、
40代で戦うこと、今の自分を愉しむことなどが、
彼女の言葉で語られています。ご興味があれば、どうぞ。
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